エンゲージメントが注目される理由

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 人財育成や組織改革の用語で、最近「エンゲージメント」という言葉をよく耳にします。
 「エンゲージメント」とは、従業員と組織の成長の方向性が連動しており、お互いに貢献しあえるような関係性を持つことと定義されます。

 ちょっと前までは、「ロイヤリティ」を高めようとか、「帰属意識」を持とうとか言われていましたが、変わりましたね。「ロイヤリティ」や「帰属意識」は、経営サイドが作り出した、従業員への価値観の押し付けで合って、従業員に価値観を見出させるための施策だったと言えます。

 「エンゲージメント」という言葉が注目されている背景には、人材の流動化が起因しています。
 終身雇用や年功序列といった、良かったころの日本の企業文化が通用しなくなりはじめ、成果主義や裁量労働制へのシフトが進む中、会社に対する「ロイヤリティ」はしだいに薄れ、いわゆる意識高い系の優秀な人材から、成長を求めて流出していくという悪循環に陥っています。
 当然ですよね。組織が成長よりも成果を優先したのだから、従業員も自社以外に成長の機会を求め始めます。自社の決断、行動が従業員に浸透しただけの話です。

 そして、ここにきて「エンゲージメント」が企業から注目されています。
原点に立ち返るとも理解できます。
  つまり、「エンゲージメント」を高めるということは、企業側が従業員に対して、長期的な魅力を示す必要があります。しかもポテンシャル人材の育成に限らず、ハイパフォーマーに対しても金銭以外で繋ぎとめるだけの魅力的な成長のシナリオを提示しなければいけない。

 では、そのためにどうすべきかのか。今までの経験や、文献から自分なりに今後考察していきたいと思います。

 とはいえ、「エンゲージメント」も「ロイヤリティ」も経営上の目的は一緒(優秀な人材の囲い込み)なのですが、より高度化、本質化してきたということですね。喜ばしい限りです。

 それにしても、人事制度と法律は何かあってからじゃないと整備されないというのは昔から変わらないんですよね。もちろん、企業が人財つなぎ止めに日々努力されているのは重々承知していますが、結果論として。今後は医療業界のように、予防的措置に重きを置かなければならない時代が来るのではないかと思います。

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